「成生のスダジイと言えば日本最大クラス」

と、言うことは知っておりました。が、いったい成生のどこにあるの?

とりあえず、図書館へ行きスダジイについていろいろ調べましたが、

成生岬にあるというぐらいで詳しい場所まで特定することは出来ませんでした。

ならば!! 自分で行ってみよう!!




てきとうな地図と、おにぎり、お茶、を準備し5人で成生に到着しました。

村の手前の坂に車を止め、岬をめざし海沿いを歩いていると漁師さんに

出会いました。「この人ならスダジイの場所を知っているはず!」

早速地図を広げ場所をたずねてみると、こころよく教えて頂きました。

その話によると「ここから何個か山を越えて片道2時間はかかるなあ」

ということでした。「え〜。地図で見ればすぐそこなのに〜」

「よーし!行くぞー!!」

漁港を通り抜け山へと入っていきました。

すると、なにやら辺りがさわがしいぞ

よく見ればとてつもない数のサルのお出迎えをうけました。




30分程歩いたところでお昼ごはんのおにぎりを食べ、地図とにらめっこ

しながら、前に進んでいきました。地図を見るといっても、常に見えている

島の形と、コンパスで大体の位置を把握するぐらいです。

あるようなないような道をずっと歩いていると、あちらこちらに、人工的に作られた

建造物跡?ずいぶん古い石垣跡、などがあり、昔はこの山奥で何が行われて

いたのかすごく気になりました。




「あ〜軽く一時間半はあるいたぞ〜」

「つかねーよー」

こんなに沢山木がある中で本当に一本の木を見つけることができるのか?

みんな不安になりながらもわいわいがやがや前に進んで行きました。




二時間ほど歩いた頃、入江に出ました。すると目の前に漁船を発見!!

「よし!探し求めているスダジイの場所を聞こう!ここから近いはず!!」

「すいませーん!! スダジイの場所を教えてくださーい!!」

「あんたらー今から行って山を歩いて帰ったら真っ暗になるでー」

「船で送ってあげるでそこで待っときなー」

思いもよらない返事がかえってきました。

一瞬考えた。発見できるかわからないスダジイを求めて何時間も掛け

暗闇の山を歩いて帰るか、それともここであきらめ船で送っていただくか。

暗黙でここであきらめるに意見が一致した。何故かみんな笑顔になった。

きっと心の中でみんな思ったに違いない「助け船だ」と…







漁の仕事を終えられ船がこちらにだんだん近づいてきました。

ご夫婦で漁をされているようでした。

そして、漁師のおばさんに言われました。

「がさがさ音がするで熊かとおもとったわ」

「あんたらーあの山歩いて来たんか?無茶するなー。イノシシでも泳いで来るでー」

僕はこの時イノシシが泳ぎが達者というのを初めて知りました。


「本当にご迷惑をかけて申し訳ありません。助かりました。ありがとうございます。」

何度もお礼をいって船に乗させていただきました。


ほんとに人が人として生きていく、人の温かさ、やさしさ、

ほんの短い時間でしたが、この漁師さんからいろいろ

学ばさせていただきました。



船での様子です。
(携帯で撮影した動画)


ずーと歩いて来た山を見ながら成生の漁港まで送っていただきました。

船は本当に気持ちよくそれまでの疲れが一気にふきとびました。

今回はスダジイまでたどり着きませんでしたが

無事怪我もすることなく楽しい探検ができました。





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