登尾峠越え
綾部二俣 〜 舞鶴城屋へ
2009/5/23.24
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僕は「舞鶴ってどんなとこ?」って聞かれると
たぶんこう言います。「海があって山に囲まれているとこ」って…。
そうなんです!舞鶴は山に囲まれているのです
例えば、江戸時代…。舞鶴の魚を食べる綾部の人、綾部の特産物を食べる舞鶴の人 きっといたはず!
その食材は必ず人の足によって何処かの峠を越え運ばれてたはずです。
と、言うことで、今回、その昔生活道路として頻繁に使われていたであろう
綾部の二俣から舞鶴の城屋への古道を探検してみました!

二股の峠登り口近くにキャンプを張り、翌日城屋まで往復するプランで決行いたしました。
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キャンプサイトからの風景です。

到着して早々みんなのくつろぎのスペース タープ張りからスタート!

テントを張りとりあえず寝心地調査! バツグンの快適性!

テントも張り終え、三時のおやつの「ドーナツ」作りを開始!

えっ!おっ? 生地がやらかすぎるのでは? 配分がおかしいぞ!?

シャバシャバ生地を流し込むように揚げれば、エイリアンのようなドーナツになってしまった!

「ドーナツ」完成!! これが帰るまでのおやつです。

夕食の準備にとりかかります。
メニューは「カレー」と「チキン」です。

肉をどんどん投入していきます。

二時間くらい煮込み野菜がぜんぶ溶けたぐらいにトマトソースを入れ完成!

もう一品の鶏肉焼き!
これを塩コショーで食べる予定が…残念!!塩もコショーも持ってくるのわすれてしまった!!

結局ケチャップで炒めバジルをかけ完成!!

なんと!食事中の写真がありません!唯一この一枚です!

おなかもいっぱいになったところで食後のコーヒーで歓談の時間が過ぎます。

これからはじまり

これになり

こんなのになりました!
入浴中です!
さすがに見苦しいので白黒にさせていただきました。
それから深いねむりに突入……。
翌 朝

朝食のホットサンド完成!! 失敗なし!! うまい!!
朝食中!

小雨がパラパラ…。少しテンションが低い…。それともこれからおこる遭難の旅を予感していたのか…。

お昼のお弁当完成!おやつのドーナツ付き!

雨もあがり、少し時間遅れで撤営開始!

登山口に向け出発です。雨で出発が遅れすでに12時をすぎていた。

登尾峠入り口到着!とりあえず記念写真! PM 12:30

登尾峠(廣野峠)・久田美峠・小原峠・尾坂峠・古路峠・枯木峠
丹後国田辺絵図(田辺藩主牧野家文書)
舞鶴市郷土資料館展示……
舞鶴市史通史篇(上)の丹後国大絵図参照

府道登尾峠建設断念?の犀川源流の車道から北の斜面に入り左にそれて急勾配な道を登っていきます。

急傾斜の山腹が続き、道は崩壊して茨が伸びている。

斜面を登って行くと山腹の上半分は旧道の趣が残っている。

道はしっかり残っているが、倒木の数が増えてきた。

微妙なバランスの倒木。

この峠にはよく人が訪れられているのだろうか?一本のロープが張ってある。
きっとこれは進入禁止と言う意味だろうと判断!!という事で迷わず左に進んだ。

やたらと倒木が道をふさぎます

ゆるやかで比較的歩きやすい道が続いていく

おー道標発見!!

右 たんば 左 山ミち 城屋 の村寺 ゆ里 女布 文政三辰正月行者八十八
とあります。

この登尾峠(廣野峠)の道標には「文政三辰正月行者八十八」とあり。文政三辰は1820年である。

また、舞鶴の野村寺にも道標があり、「左城やうちくい」とあり「うちくい」は綾部の内久井で、城屋から登尾峠を通り内久井に至る
道筋を指しているのでしょう。この野村寺の道標の左側面には「施主 紀州 田辺 行者 八十八」と記されている(舞鶴市郷土資料館展示)。
舞鶴市郷土資料館展示では「行者八十八は田辺だけが今まで読めていたので、舞鶴の人だと考えられていました。
しかし今回田辺の前に紀州が見えることがわかり、わざわざ紀州(和歌山)の人が舞鶴に道しるべを建てたことが判明しました」としている。
従って野村寺の道標は、登尾峠に道標を建てた「八十八」が紀州田辺の人であることを推定できるということになるだろう。

倒木を潜る瞬間!! ロマンを感じる瞬間!!

しかし倒木だらけだ!

ふと現れた風景。方向から見ておそらく久田美方面だと思われます。

舞鶴要塞 石柱発見!!

陸軍省の「舞鶴要塞第三地帯・第16連隊、明治三十二年」の石標が立っていて、この峠一帯が軍用秘密地帯であったことが伺われました。

当時、要塞の管理や運用、防衛は陸軍が担当していた。

「明治三十二年」
この場所がどんな様子で誰が何をしていたのかこの石柱からはまったく想像できない。


石柱を後にし順調に城屋に向け歩き出した。

突然道がなくなった!!。そのまま進んだ…。
やばい!すでに道に迷ってしまっている。

周囲には目印になる山や鉄塔などは何も見当たらない…。
携帯電話のGPS機能を使い現在地を測定する。

この地図がアバウトすぎてあまり参考にならないと思っていたが、
ここに来て威力を発揮! しかし、もっと正確な地図がほしい!
どうも完全に迷ってしまったみたいだ…。

「チョットマッタ! 何か音がきこえるぞ!」
近くに行って聞き耳をたてる。
「ブルルルルル」 「ブルルルルル」
なかなかエンジンのかからない草刈機のような音だった。

しかし、よく考えてみると、この周辺に人がいる事は想像できない。
よく聞いてみれば、獣のウナリ声にも聞こえる。しかし、今までに聞いたことのない音だった。しかも近い
もしかして…。「熊」?
「よし!武器を作るぞ!熊が俺たちに戦いを挑んで来たら全員で戦うぞ!」

そういえば、周囲の木には、爪あとのようなものが…。確かにある…。

間違いなくこちらをイカクしている。しかし、どこから声が聞こえるのかまったくわからない。
俺たちも、石を投げ、大声を出し、鈴を鳴らし、イカクした。
数分沈黙が続いた…。もしかして熊は何か動けない理由があるのか?
身ごもっている。子育て中。きっとそうに違いない。そうに決まっている。

これ以上先に進む事が出来ない。 熊の子育ての邪魔をする分けにはいかない。
まして熊と戦うと、間違いなく俺たちが勝利するだろう。そうなれば、幼い小熊の将来はどうなるのか?
それでもいいのかっ!… よし、この場はそっと静かに立ち去ろう…。

と言う事で、仕方なく少し引き返し、別ルートで下山することにした。
しかし、相変わらず道に迷っている…。
何故か「ドラクエ」をリアルに体感しているような気になった…。

時々現れる道らしき場所を進むがどれも行き止まりになる…。

現在地を確認しながら進むが、あっち行きこっち行き、すでに一時間以上迷っている…。

時刻は16:00になっていた。このままでは日が暮れて…。 誰もがそんな予感をしていた。
「こうなったら最後の手段に出るぞ!」地図から現在地を推測すると、
城屋まで直線距離で約1km、麓まで約500m、標高差250m
「最終方向確認ヨシ!! 直線下山開始!!」

「ウリャー!!」

「ウォーッ!!」

「足元がすべるぞーっ!!」「気おつけろー!!」

意外と勝負は早かった…。

「ハッハッハ。登尾峠制覇してやったぜ…。」

PM5:30 城屋の雨引神社前に到着! 昼食開始!
やっぱりアウトドアといえばカップヌードルのノーマル味! で決まり!
往復登山の予定が、道に迷うわクマに出会うわで、片道で終わってしまった。つまり、帰りの足が無い!
「どうする?」 結果 仲間の奥様に迎えに来ていただくことになりました。

「ごめんなちゃーい!!」

今回の古道探検も無事怪我をすることなく楽しく終了しました。